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大山祇神社(西会津町)

(おおやまづみ じんじゃ)

福島県耶麻郡西会津町野沢に鎮座する大山祇神社は、「なじょな願いもききなさる(どんな願いでも叶えてくださる)」と伝えられる山の神様として、多くの人々から篤い信仰を集めています。古くから「一生に一度は参拝すべき神社」とも称され、県内外から多くの参拝者が訪れる西会津を代表する霊場です。

御祭神とご利益

大山祇神社には、自然と人々の暮らしを守護する三柱の神様が祀られています。

この三柱は親子の神々であり、山岳信仰・水の恵み・人の命を結びつける神々として古代から崇められてきました。特に「三年続けて参拝すれば、どんな願いも叶う」とされ、願掛けの神社としても有名です。

創建と歴史

社伝によれば、宝亀9年(778年)に第49代光仁天皇の御代に勧請されたと伝えられています。以来1200年以上の歴史を刻み、西会津の人々の心の拠り所として大切に守られてきました。山全体を神域とし、神聖な森や清流に囲まれた環境が、古代から続く自然崇拝の姿を今に伝えています。

参道と見どころ

遙拝殿と本殿

大山祇神社には大久保集落に遙拝殿(下宮)があり、そこから山道を約4km登ると本殿に至ります。本殿までの道のりは徒歩でおよそ1〜2時間。さらに険しい山道を40分ほど進むと、案内人と共にしか参拝できない奥の院があります。この奥の院は長らく閉鎖されていましたが、2014年に再び開通し、多くの参拝者が足を運ぶようになりました。

滝と杉並木

参道の途中には弥作の滝不動滝があり、清らかな水しぶきとマイナスイオンが参拝者を癒してくれます。また、樹齢450年を超える杉並木が続き、参拝する人々を見守り続けています。神聖な空気に包まれながら進む参道は「ふくしまの遊歩道50選」にも選ばれており、自然散策やトレッキングにも最適です。

祭りと年中行事

大山まつり

毎年6月には1か月間にわたる「大山まつり」が行われます。この期間には福島県内はもちろん、新潟県や山形県からも多くの参拝者が訪れ、例年11万人以上の人出で賑わいます。山の神様に五穀豊穣や家内安全、無病息災を祈るこの祭りは、西会津を代表する一大行事です。

その他の例祭

旧暦9月9日・19日・29日には例大祭が行われ、四季折々の神事を通じて人々の生活と深く結びついています。こうした祭りは、古代から続く信仰の姿を今に伝えています。

文化財と名物

大山祇神社の参道にある杉並木と境内社木は、西会津町の指定天然記念物に登録されています。また、参拝土産としては「大山まんじゅう」が有名で、90年以上にわたり愛されている銘菓です。素朴ながらも心温まる味わいは、参拝の記念や贈り物として人気を集めています。

アクセス情報

大山祇神社へはJR野沢駅から西会津町デマンドバス(予約制)を利用できます。また、6月の「大山まつり」期間中には予約不要の路線バスが運行され、多くの参拝者に便利な交通手段が提供されています。かつては祭りに合わせて臨時列車も運行されており、その盛況ぶりがうかがえます。

まとめ

大山祇神社は、山の神、水の神、命の神を祀る霊場として、千年以上にわたり人々の信仰を集めてきました。「三年続けて参拝すればどんな願いも叶う」と伝わるご利益や、清らかな自然に包まれた参道、壮大な祭りなど、その魅力は尽きません。西会津を訪れる際には、ぜひ足を運び、神聖な空気に触れながら心静かに祈りを捧げてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
大山祇神社(西会津町)
(おおやまづみ じんじゃ)

会津・喜多方

福島県