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会津そば

(あいづ)

伝統と文化が息づく、香り高くのどごし良いそば

祝いごとには欠かせない”ハレの日の振舞料理”。食べ方も多彩として知られる会津そばは、会津地方で長く親しまれてきた伝統的な料理です。会津地方は昼夜の温度差が大きく、空気が澄んだ山間部であり、適度な日照時間というそば作りに適した条件を満たしています。そのため、会津地方では昔からそばが広く食されてきました。

そばは単なる米の代用食ではなく、特別な日に振る舞われる”ハレの日の料理”としても重要です。婚礼時には山鳥とごぼうでとった出汁で食べる”祝言そば”や、湧き水に浸して食べる”水そば”、布を裁つ様にそばを切る”裁ちそば”など、さまざまな食べ方が存在します。

会津では、行政やJA、そば店や製麺業者などが「会津そばトピア会議」を作り、イベントやPRに努めており、地域全体でそば文化を支えています。

「そばの里」南会津の特徴

南会津の香り高くのどごしが良いそばは、標高500m以上の高冷地で育ちます。ここは朝晩の寒暖差が大きく、肥沃な土地が少ない場所ですが、そばは「米の取れない痩せた土地でも収穫できる」として広く栽培されてきました。

南会津がそばの栽培に適している理由は、適度な日照時間と澄みきった美味しい空気、そして収穫期間が比較的短いこと(種まきから約60日程度)にあります。この条件下で育ったそばは、香り高く、のどごしが良いと評判です。

そばの種類について

会津のかおり
「会津のかおり」は下郷在来を原種とする品種で、平成19年に福島県オリジナルブランドとして新たに登録されました。在来原種から優良選抜と系統選抜を繰り返し、生産力の検定、製麺性、食味試験をクリアして選抜されたものです。このそばは収穫量が多く、打ちやすく、粘りのある食感で、栄養成分であるルチンも多く含まれており、食味も優れています。

舘岩在来種
「舘岩在来種」は地形的に他と隔離されたそば畑が点在していることから、長年にわたって他の品種と交雑せず自家採種による栽培がされています。このそばは重みが格別で、そばの職人さんはもちろん、関東圏の一般の方からも人気があります。中には挽きたての風味を楽しむために殻付きで購入し、近隣で製粉を行う方もいます。東京都内のそば屋でも、南会津町舘岩地区のそばは味が良いと評判で、そば粉をわざわざ買いに来る方もいるそうです。

大内宿の名物!長ネギを箸代わりに味わうユニークなそば

ねぎそばは、福島県会津地方の伝統的な郷土料理です。江戸時代後期から明治時代初期にかけて、会津藩主の松平容頌が信州高遠藩から持ち込んだといわれています。当時は、藩主や家臣など身分の高い人々が食べる特別な料理でした。

ねぎそばの特徴は、長ネギを箸代わりに使うことです。太めのネギを縦に半分に切り、先端をほぐした状態で提供されます。そばをネギに絡めて食べると、ネギの辛味と香ばしさが加わり、独特な味わいを楽しめます。

会津の中でも特に大内宿で有名です。江戸時代の宿場町がそのまま残る大内宿には、多くのねぎそば店が軒を連ねています。観光客も多く訪れる人気スポットであり、大内宿を訪れた際にはぜひ味わいたい一品です。

会津そばの魅力

会津そばは、そば作りに適した環境で育てられた高品質のそばで、香り高く、のどごしが良いのが特徴です。会津地方では、祝いごとや特別な日に振る舞われることが多く、地域の伝統的な料理として親しまれています。また、地域全体でそば文化を支える取り組みが行われており、イベントやPR活動を通じてその魅力が広く伝えられています。

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会津そば
(あいづ)

会津・喜多方

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