福島県耶麻郡猪苗代町、磐梯町、北塩原村にまたがる標高1,816mの活火山が磐梯山です。会津盆地から望むと美しい三角形に見えることから「会津富士」とも呼ばれ、福島県のシンボルの一つとして親しまれています。
磐梯山は、主峰のほか、赤埴山(1,430m)と櫛ヶ峰(1,636m)を含めて総称されることもあります。また、磐梯高原を含めて磐梯朝日国立公園に属しています。
古くは「いわはしやま」と呼ばれ、「天に掛かる岩の梯子」を意味していたといわれています。また、病悩山(びょうのうざん、やもうさん、わずらわしやま)とも呼ばれていました。
磐梯山は、806年に噴火し、それまで2,000m以上あった富士山型の山から、1888年の噴火前の4峰(大磐梯、小磐梯、赤埴山、櫛ヶ峰)になったと考えられています。
そして、1888年(明治21年)7月15日、水蒸気爆発によって小磐梯が山体崩壊を起こし、発生した爆風と岩屑なだれにより北麓の集落(5村11集落)が埋没する被害を出し、477人の死者を出しました。
この噴火は、明治維新以降の近代日本初の大災害であり、大日本帝国政府が国を挙げて調査、救済、復旧を実施しました。
現在、五色沼近くに「平時災害救護発祥の地の記念碑」が建立されています。
磐梯山は現在も活火山であり、沼ノ平火口内と1888年の火口壁と数か所で小規模な噴気活動が継続しています。
過去の噴火活動の様子は地層中に多くの痕跡が残されており、マグマ噴火は数万年前に停止し、有史以降は水蒸気噴火活動が行われています。
磐梯山の麓は南が表磐梯、北が裏磐梯と呼ばれています。
表磐梯から見る山体は整った形をしているように見えますが、裏磐梯から見ると、一変して山体崩壊の跡の荒々しい姿を見せます。
裏磐梯には、五色沼や桧原湖、秋元湖など、大小さまざまな湖沼が点在しており、美しい景観を楽しめます。
磐梯山は登山道が整備されており、比較的登りやすい山として知られています。
登山道は、猪苗代登山口、裏磐梯登山口、吾妻登山口など、いくつかあります。
登山シーズンは例年6月から10月までですが、天候によっては登山が制限される場合もあります。