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福島県迎賓館

(ふくしまけん げいひんかん)

伝統と美しさを感じられる佇まい、伝統的和風住宅の皇族別邸

福島県迎賓館は、福島県猪苗代町にある旧高松宮翁島別邸です。この建物は、大正天皇の第3皇子・高松宮宣仁親王が、有栖川宮威仁親王妃慰子の保養のために、天鏡閣の別邸として1922年(大正11年)に建設されたもので、国の重要文化財に指定されています。慰子妃を気遣い、洋館ではなく自然の景観を庭園に見立てた純日本風の造りになっています。

建築様式と設計

迎賓館は、古い伝統的和風住宅の皇族別邸として全国的にも珍しい建物です。設計は宮内省内匠寮、担当は宮内技師の木子幸三郎が務めました。建物は木造平屋建てで、落ち着いた控えめな印象の外観を持ちます。基礎には自然石を使用し、屋根は当初の杮葺(こけらぶき)から現在は銅板葺きに改装されています。純日本風の景観を持つ別邸を完成させるために1年余りをかけました。建築構造は堅実で、その意匠は洗練されており、建築史的・文化史的にも非常に貴重です。

福島県への下賜と重要文化財指定

1952年(昭和27年)12月、高松宮宣仁親王から福島県に下賜され、福島県迎賓館として使用されるようになりました。1996年(平成8年)には居間棟が国の登録有形文化財に登録され、1999年(平成11年)5月13日には国の重要文化財に指定されました。これにより、登録有形文化財の登録は抹消されましたが、迎賓館は国の重要文化財として保存・保護されています。

一般公開と特別公開

福島県迎賓館は通常、庭園のみが公開されていますが、建物については国の文化財としての価値を紹介するため、年間100日程度の「特別公開」が設けられています。この特別公開期間中は、予約者のみが見学可能です。庭園は5月1日から10月31日まで開放されており、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。

迎賓館の庭園と自然美

迎賓館の庭園は、常緑樹や広葉樹が生い茂る自然林を生かしたデザインが特徴です。5月から6月にかけてはヒメシャガの群生が見られ、続いてアジサイ、夏にはヤマユリと木々の濃い緑が楽しめます。秋には広葉樹の赤や黄色の美しい紅葉が見事です。庭園と伝統的和風住宅の姿が調和し、まるで一枚の絵画のような美しい眺めが広がっています。

皇族と迎賓館

迎賓館は、大正11年の夏に完成し、慰子妃がその年の夏に避暑のために利用しましたが、翌年に60歳で薨去しました。旧高松宮翁島別邸は、昭和27年12月に福島県に下賜されて以降、福島県迎賓館として天鏡閣と共に、昭和天皇や上皇陛下をはじめ多くの皇族を迎え入れ、皇室の歴史に深く関わる場所となりました。

保存と継承

福島県迎賓館は、全国的にも珍しい伝統的和風住宅の皇族別邸として、福島県によって保存・保護されています。庭園の公開や特別公開を通じて、その価値と魅力を広く伝える努力が続けられています。訪れる人々は、歴史的な建物と美しい庭園を通じて、当時の皇族の生活様式や日本建築の美を感じることができます。

見どころと楽しみ方

迎賓館を訪れる際は、庭園の散策や特別公開期間中の建物見学が楽しめます。南端にある東屋まで足を延ばすと、湖面に天を映す猪苗代湖の美しい景色を望むことができます。庭園と建物の調和した景観を楽しみながら、福島県迎賓館の歴史と文化を体感してください。

Information

名称
福島県迎賓館
(ふくしまけん げいひんかん)
リンク
公式サイト
住所
福島県耶麻郡猪苗代町翁沢字畑田1072-4
電話番号
0242-65-2811
営業時間

庭園観覧 9:00~16:00(11月~4月は終日閉鎖)

建物内の見学は、特別公開プログラムへの参加が必要(要予約)

定休日

不定休

料金

庭園入園 無料

駐車場
43台 無料
アクセス

JR猪苗代駅からバスで約15分

磐越自動車道 猪苗代磐梯高原ICから車で約10分

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