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粟饅頭

(あわ まんじゅう)

もう二度とこのような災難に『あわ』ないように願いを込めた柳津名物

粟饅頭は福島県河沼郡柳津町で愛される銘菓です。粟と餅米を使った、もちもちとした食感と優しい甘さが特徴の饅頭で、素朴ながらも奥深い味わいです。

1818年に災害が町を襲った際、人々が「災害にあわないように」と願いを込めて円蔵寺に奉納したことが始まりです。ぜひ、お店ごとの粟饅頭を食べ比べてみてください。

柳津銘菓「あわまんじゅう」

粟饅頭の生地は、粟と餅米を混ぜたものを使用しています。この生地を型に詰め、そこへこしあんを包んでから蒸すことで完成します。職人が一つ一つ丁寧に、おちょこのような型に詰めるという、昔ながらの製法で作られています。

色は粟をイメージした黄色で、粟のつぶつぶした感触と餅の粘りを持ち合わせた独特の食感が魅力です。ただし、賞味期限が短く、2日も経つと硬くなってしまうため、長期保存する場合は冷凍が必要です。

歴史

1818年(文政元年)6月15日、柳津で大火が発生し、「日本三大虚空蔵」のひとつに数えられる円蔵寺が大火事に見舞われ、堂塔伽藍や門前の集落が焼失しました。当時の住職である喝岩和尚は、幕府や会津藩等と掛け合い資金を調達し、復興に尽力しました。1829年(文政12年)8月には円蔵寺本堂の再建が完成しました。

再建を祝う際、喝岩和尚は「もう二度とこのような災難に『あわ』ないように」との願いを込め、当時多く生産されていた粟を使った饅頭を奉納することを考え、門前の菓子職人に作らせたのが粟饅頭の始まりと伝えられています。御護符として配ったものが、柳津の名物となりました。

このように、粟饅頭は柳津町の歴史と共に歩んできた伝統的な和菓子です。その独特の食感と風味を楽しみながら、歴史の背景にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
粟饅頭
(あわ まんじゅう)

会津・喜多方

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