飯野八幡宮は、福島県いわき市平に鎮座する歴史ある八幡宮で、旧社格は県社です。社家は伊賀氏の庶流である飯野氏が務めています。毎年9月14日と15日に盛大に行われる例大祭が有名です。特に注目されるのが流鏑馬神事です。この行事は平安時代から続く古式豊かなもので、現在の競馬に似た形で行われ、縁起物として扇子や生姜が撒かれます。そのため、別名「生姜祭り」とも呼ばれています。国の重要無形民俗文化財にも指定されており、多くの見物客を魅了しています。
飯野八幡宮の祭神は以下の通りです:
飯野八幡宮の歴史は、平安時代の康平6年(1063年)に遡ります。源頼義が奥州討伐の際、源家が崇敬する石清水八幡を磐城の地に勧請し、戦勝を祈願したのが始まりです。文治2年(1186年)には、関東御領好嶋荘の総社として源頼朝の命により、現在のJR常磐線いわき駅北側の高台に御正躰を奉じて奉祀されました。
関ヶ原合戦後、岩城氏が追放されると、徳川譜代の鳥居忠政が新たに入城し、慶長7年(1602年)に現在の八幡小路に移設されました。その後、移設先の旧地には磐城平城が建設され、八幡小路には藩校施政堂が立地することとなりました。
飯野八幡宮には、以下の摂末社があります:
飯野八幡宮には多くの重要文化財が存在します。以下はその一部です:
飯野八幡宮には、いわき市指定の有形文化財も多く存在します。その中には、飯野八幡宮幣拝殿も含まれています。
飯野八幡宮の例大祭は、福島県いわき市平に鎮座するこの八幡宮における最大の祭りで、地元住民や観光客にとって重要な行事です。この例大祭は、毎年9月14日と15日に行われ、古式豊かな儀式や行事が特徴です。特に注目されるのが、流鏑馬神事です。
流鏑馬神事は、「生姜祭り」とも呼ばれ、鎌倉時代に起源を持つとされています。伝説によると、源頼義公がこの地を訪れた際、暑気あたりを起こし、地元の農民から頂いた生姜を食べて身体を癒したことが祭りの始まりとされています。このため、祭りの際には生姜が重要な役割を果たします。
流鏑馬神事では、狩装束に身を包んだ騎士が馬に乗り、馬場を駆け巡ります。この行事は「馬場空駆け」「生姜撒き」「扇子撒き」「的矢」の4つの順序で行われます。
例大祭のもう一つの重要な行事は古式大祭です。この祭りでは、神輿が渡御され、その後、八十八膳が本殿や境内の摂社、末社を巡って献饌が行われます。この献饌の儀式は厳粛かつ格式高いもので、多くの参拝者が見守ります。
飯野八幡宮の例大祭と流鏑馬神事は、その文化的価値と歴史的意義から、昭和58年(1983年)に県の重要無形民俗文化財に指定されました。近年では、例大祭は9月15日の直前の土曜日と日曜日に執り行われ、多くの観光客が訪れ、地域の活性化にも寄与しています。
飯野八幡宮の例大祭と流鏑馬神事は、鎌倉時代から続く伝統的な行事であり、地域の歴史と文化を体現しています。この祭りは、地元住民にとって重要なだけでなく、観光客にとっても魅力的なイベントとなっており、その古式豊かな儀式と祭りの雰囲気は、多くの人々に感動を与えています。