閼伽井嶽薬師は、福島県いわき市にある真言宗智山派の寺院です。戦前は別格本山として知られていました。寺院は市内を見下ろす閼伽井嶽(あかいだけ)に位置し、そこから広がる平野の眺望を堪能できる人気のスポットです。1200年以上の歴史を持ち、樹齢数百年を誇るスギやヒノキの巨木が立ち並び、パワースポットとしても知られています。
閼伽井嶽薬師常福寺は、いわき市を見下ろす閼伽井嶽に位置し、広大な平野を一望する絶景が楽しめます。真言宗別格本山に認定された由緒ある寺院で、樹齢数百年のスギやヒノキの巨木が茂る境内は訪れる人々に力を与えます。毎年8月31日と9月1日には「火祭り」の名でも知られる夏大祭「柴燈大護摩」が執り行われ、雅な光景とともにご利益を求める多くの参拝者が訪れます。
「柴燈大護摩」は「火祭り」として知られ、毎年8月31日と9月1日に行われます。参拝者は護摩木に願い事を書き、その護摩木を護摩壇で燃やします。火が消えた後、山伏の衣装を纏った修験者たちが護摩壇の灰の上をはだしで歩く「火渡り」が行われ、無病息災や家内安全を祈願します。この神秘的な儀式により、多くの参拝者がご利益をいただきます。
閼伽井嶽薬師常福寺では、春分と秋分の年に2回だけ、日の出の太陽の光が参道を通り薬師堂に一直線に差し込みます。この現象は「太陽の道」と呼ばれ、煩悩や迷いから解放され、仏の世界へ導かれるような感覚を与えます。ドラマチックな太陽の光が作り出すこの景色は、参拝者にとって特別な体験となります。
閼伽井嶽薬師常福寺は、大同元年(806年)に開基されたと伝えられています。開基以前の天平6年(734年)には東北地方で大地震や飢饉が発生し、その惨状を見た大和国鷲峰山の源観が善無畏三蔵伝来の秘仏である薬師如来を護持し、当地に至りました。源観はこの地で草堂を営み、三七日間の祈願を行い、その後疫病が終息したと伝えられています。
現在の本堂は昭和17年(1942年)に建立された総檜密教造りのものであり、昭和28年(1953年)に本坊が、昭和49年(1974年)には鐘楼堂が建立されました。境内には寺務所、修行僧宿坊、不動堂、奥ノ院、鐘楼堂などがあり、近年多宝塔も建立されました。また、参道では四国八十八箇所巡りができるようになっています。
本尊薬師如来尊像は、インドの龍智菩薩による三七日の祈請により示現されたもので、後に閻浮檀金を用いて三尊を謹刻したと伝えられています。この三尊のうち、阿弥陀尊は南天竺の霊宝山真如大阿弥陀寺に、釈尊は大唐の霊水山清浄光院に安置されています。残り一体の薬師尊が当山に奉安されています。本尊薬師如来を守護する日光・月光両菩薩や十二神将も安置されています。
元日0:00からご祈祷が始まり、家内安全や交通安全のご利益があるとされています。節分会は2月3日に行われ、多くの参拝者が集まります。夏大祭「柴燈大護摩」は8月下旬から9月上旬にかけて行われ、「火祭り」として知られています。
弘法大師を祀る大師堂は、老楓の巨木と放生池に臨んで建てられ、その下には清泉が湧き出しています。この泉は弘法大師が岩石を穿って湧出させたもので、どんな大旱でも涸れることがなく、眼病に霊験があると伝えられています。
境内地の南東端にある滝不動は、20余尺の滝で、その姿は壮観です。滝の下には不動明王が祀られており、水行の場として知られています。この滝の源流は三十三観音像の地点にあります。