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信夫山

(しのぶやま)

福島市の中心にある、古くから人々の信仰を集めてきた山

信夫山は福島県福島市の中心市街地北部に位置する山で、標高は275メートルです。この山は、福島市街を一望でき、春には花見客で賑わう福島市のシンボル的存在となっています。外周は1周7キロメートルで、これは皇居(外苑も含む)と同じ大きさです。うつくしま百名山にも選定されており、公園内での飲食が可能なため、福島市内でも人気の名所です。

登山と信仰の山

信夫山は登山ルート次第で険しい経路もあり、登山趣味の入口として親しまれています。近隣の小学校の遠足にも利用される山であり、また山岳信仰のスポットとしても有名です。岩谷観音、黒沼神社、福島県護国神社や出羽三山の分社(羽黒山神社・月山神社・湯殿山神社)などがあります。さらに、大円寺や市が管理する墓地が存在し、福島市を代表する墓所地帯としての性格も兼ねています。

福島市のシンボル「御山」

福島市の真ん中にぽっかり浮かぶように位置する信夫山は、熊野、羽黒、羽山の三山からなり、羽黒、月山、湯殿の三神社が祀られ、古来から信仰の山とされています。「御山(おやま)」と呼ばれ、福島を代表する花見のスポットとしても有名です。ライトアップによる桜祭りも開催され、多くの人々が訪れます。また、福島市内を一望できる展望台や公園もあり、四季を通して市民の憩いの場となっています。

信夫山の自然と歴史

信夫山は全国でも珍しい街の中心にある里山です。多くの歴史と自然の魅力に溢れ、ふるさとの象徴として人々に愛されてきました。東西2.7キロメートル、周囲約7キロメートルの自然豊かな美しい小山で、大きさは皇居とほぼ同じです。中央に羽黒山(標高260メートル)、西に羽山(標高275メートル)、東に熊野山(標高268メートル)、さらにその北に立石山(標高220メートル)といくつもの峰から成り立っていて、昔から山岳信仰の山として知られ、それぞれの山頂には信仰の対象である神仏が祀られています。

信夫山の展望ポイント

信夫山は周囲すべてを見渡せる孤立丘で、360度の展望が自慢です。雄大な吾妻連峰と福島市の大西部を一望する絶景の烏が崎をはじめ、旧市内を眺める第1展望台、福島東部と競馬場を眼下に見下ろす第2展望台、福島市北部を眺望する第3展望デッキなど、展望ポイントは7か所もあります。

信夫三山

信夫山は東から熊野山、羽黒山、羽山の三峰で構成され、これらを合わせて信夫三山と呼ばれます。それぞれの山は山岳信仰と密接に結びついており、熊野山には湯殿神社、羽黒山には羽黒神社、羽山には月山神社の出羽三山が祀られています。国道13号と東北新幹線の信夫山トンネルは、いずれも羽山の下を貫いています。

日本一の大わらじ奉納先

羽黒神社にそびえ立つ長さ12メートルの大わらじは、毎年2月に行われる「信夫三山暁参り」で奉納されます。毎年8月にも大わらじの奉納が行われ、1970年から夏祭り「福島わらじまつり」として市民の間に定着しています。

信夫山公園

1874年に政府が認可した公園で、東京の上野恩賜公園と同じ時期に認定された全国的にも由緒ある公園です。1899年、初代福島町長鐸木三郎兵衛たちの指示で1万本の桜が植えられ、福島市の桜の名所となりました。周囲7キロメートルの孤立する急峻な丘陵地で、熊野山・羽黒山・出羽山の三山から成り立っています。古代より由緒ある名所として著名な社寺、史跡、伝説があり、都市公園に指定されています。

信夫山の自然環境

信夫山は街の中の森林空間として、動植物の宝庫としても貴重な存在で、市民の宝の山となっています。信夫山一帯は公園として整備されており、南側斜面には福島市街地に向けて第1展望台、さらにその上側に第2展望台、西側には烏ヶ崎という山頂があり、近年整備されたウッドデッキの展望台があります。信夫山トンネルに程近い護国神社周辺には花見の名所として有名な広場や大噴水、各種遊具が整備された駒山公園があり、第2展望台周辺には大型遊具やウォールクライミング場があります。

福島地方気象台の標本木

福島地方気象台が桜開花の基準となるソメイヨシノの標本木は信夫山に自生するもので、そのほかにも複数種類の標本木が信夫山に自生しています。

信夫山ガイドセンター

信夫山ガイドセンターは、福島県福島市御山字甘粕17番地にあり、営業時間は10:00から17:00まで(シーズンにより変動あり)、定休日は毎週水曜日です。麓から徒歩で約15分のところに位置し、スタッフが親切に解説してくれるガイドセンターです。信夫山についての展示も行っており、月1回ミニ講座を開設しています。

福島の名前の由来

一説には、福島の名付け親とされる木村吉清が福島市南西部の高台に位置する大森城から福島市中部の低地に位置する福島城に入城する際、大森城の高台から福島盆地を見おろし、風が吹く霧がかった盆地の中心に島(信夫山)が浮かんでいるように見える情景から、「吹島」とし、「吹」を縁起のいい「福」に当てて「福島」と命名したとされています。

スタジオジブリの「さんぽ」と信夫山

スタジオジブリの「となりのトトロ」の主題曲"さんぽ"の作詞家、中川李枝子によると、彼女が小さい頃に友達と阿武隈川や信夫山で遊び回っていた経験があり、その山を歩いたイメージで作ったと語っています。

信夫三山暁まいり

毎年2月10日・11日に行われる「信夫三山暁まいり」では、長さ12メートル、幅1.4メートル、重さ2トンの日本一の大わらじを約100人で担ぎ上げ、福島駅前など市内目抜き通 りを運行し、羽黒神社に奉納します。信夫三山暁まいりは福島県内に春を呼ぶ福島市を代表する行事として知られています。

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