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花と歴史の郷 蛇の鼻

(はな れきし さと じゃ はな)

花と歴史の郷 蛇の鼻は、福島県本宮市に位置する美しい日本庭園です。この庭園は蛇の鼻遊楽園とも呼ばれ、季節ごとにさまざまな花が咲き誇り、訪れる人々を楽しませています。

歴史と背景

蛇の鼻は、明治時代末期に豪農であり政治家であった伊藤彌(いとうわたる)とその息子伊藤幟(いとうのぼり)が本宮町(現本宮市)の蛇の鼻地区を開墾した際に造られた庭園です。庭園は1899年(明治32年)に開園し、当初は「蛇の鼻遊楽園」と呼ばれていました。

蛇の鼻御殿

庭園内には池を望む高台に建つ伊藤彌の別荘「蛇の鼻御殿」があり、見学することが可能です。この御殿は国の登録有形文化財に指定されており、建設には10年もの歳月が費やされました。玄関には精緻な彫刻が施され、狩野派の絵師や飛田周山、勝田焦琴などによる障屏画があり、贅を尽くした造りとなっています。

四季折々の花々

蛇の鼻では、季節ごとにさまざまな花を楽しむことができます。春にはサザンカ、サクラ、ツツジ、スイレン、バラ、ボタン、フジ、チューリップ、アジサイ、シャクヤクなどが咲き誇り、訪れる人々を魅了します。特に桜やフジ、スイレン、紅葉といった花々が四季を通じて色鮮やかに咲き誇り、散策する楽しみが広がります。

百果園と果樹栽培

この庭園は、明治30年代に当時の本宮の地主であった伊藤彌氏が開拓し、「百果園」と名付けられ果樹の栽培を始めたことに端を発します。別荘として建てられた蛇の鼻御殿は国登録有形文化財に指定されており、庭園内には約500本のカエデの木が点在し、そのほとんどが樹齢100年を越えるものばかりです。

花暦

蛇の鼻では、月ごとにさまざまな花が見頃を迎えます。

季節のイベント

フジ祭

フジ祭は、5月上旬に見頃を迎えます。園内のメインストリートを鮮やかに飾る樹齢約300年から400年の8本の大フジ棚が紫やピンク、白などの花を咲かせます。

スイレン祭

スイレン祭は、5月下旬から7月下旬にかけて行われます。園内の擂鉢池には最盛期に約一万輪のスイレンの花が水面を彩り、美しい景観を楽しむことができます。

もみじ祭

もみじ祭は、10月下旬から11月中旬にかけて開催されます。蛇の鼻の歴史は明治30年代に本宮の豪農であった伊藤彌が造った「蛇ノ鼻百果園」に始まり、園内には約500本のカエデの木が点在し、そのほとんどが樹齢100年を超えるものばかりです。中には幹回りが2メートル前後の大樹にまで成長したものもあります。

11月ともなるとカエデの木々が鮮やかに色づき、まるで京都の古寺を訪れているかのような錯覚さえ感じられます。

蛇の鼻御殿

蛇の鼻御殿は、明治末期に旧本宮町の豪農であった伊藤家の別荘として建てられました。この別荘は、約10年の歳月をかけて完成され、建築には現在では入手困難な材質も多く用いられています。

玄関周りには巧妙精密な彫刻が施されており、二本松市で200年以上の歴史がある橋本仏具彫刻店の初代父子による作品とされています。また、各部屋の襖を飾る作品は、狩野派を代表とする時代に名を残す画家たちによって描かれており、伊藤博文や三条実美、木戸孝允の扁額も見ることができます。

蛇の鼻御殿は、平成8年(1996年)12月に文化財保護法に基づき国の登録有形文化財に登録されました。登録有形文化財は築後50年以上を経過し、造形の模範となり再現が困難な建物が対象とされています。

アクセスと楽しみ方

花と歴史の郷 蛇の鼻は、福島県本宮市に位置し、四季折々の花々や歴史的建造物を楽しむことができます。園内を散策しながら美しい景観を楽しむことができ、特に春や秋には多くの観光客が訪れます。

また、蛇の鼻御殿では贅を尽くした建物や美しい障屏画などを見学することができ、歴史と文化を感じながら過ごすことができます。

まとめ

花と歴史の郷 蛇の鼻は、美しい花々と歴史的建造物が調和した魅力的な日本庭園です。季節ごとに異なる花が咲き誇り、訪れる人々を楽しませています。特にフジ祭やスイレン祭、もみじ祭などの季節のイベントは見逃せません。また、国の登録有形文化財である蛇の鼻御殿は、贅を尽くした建築と美しい障屏画が見どころです。

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名称
花と歴史の郷 蛇の鼻
(はな れきし さと じゃ はな)

郡山

福島県