歴史と伝統
高柴デコ屋敷は、郡山市西田町高柴(旧三春藩領)に位置し、江戸時代から約300年間続いている工人の工房4軒などからなる集落です。日本で最初の年賀切手(郷土民芸シリーズ)に採用された三春駒(木彫り)や三春だるま、木型に和紙を張り付けて制作する張子人形など、多くの郷土民芸品がここで制作・販売されています。工房では絵付け体験もでき、多くの観光客が訪れます。2001年(平成13年)には環境省により「かおり風景100選」に選定されました。
施設の紹介
高柴デコ屋敷には、工房の他に土産物店や三春駒神社などがあり、福島県内で最後の無人の秘宝館『道六館』も存在します。
橋本広司民芸(分家恵比寿屋)
17代当主の橋本広司が運営し、高柴デコ屋敷資料館を併設しています。三春人形(高柴人形)の製造が得意です。
彦治民芸
10代当主の橋本高宜が運営し、築約400年の茅葺き屋根の建物が特徴です。デコ屋敷で唯一、三春駒本来の木彫りのものを作り続けています。日本で初めて年賀切手(郷土民芸シリーズ)に採用された三春駒は、9代目彦治のものがモデルです。また、三春駒の白駒は橋本が初めて制作し、地域に広まりました。張子十二支作りの元祖でもあり、絵付け体験教室を始めたのも彦治民芸です。
本家恵比寿屋
20代当主の橋本恵市が運営し、張子面、ダルマ、十二支などの縁起物を製作しています。
本家大黒屋
21代当主の橋本彰一が運営し、張り子づくりの始まりは、戦国時代の伊達政宗の正室愛姫の生家、三春城主田村氏の四天王の一人である橋本刑部の一族に遡ります。現在では、張り子の手作り、手作業の伝統を活かし、新しい張り子づくりにも挑戦しています。また、日本の張り子文化を世界へPRすることにも積極的に取り組んでいます。
観光体験
高柴デコ屋敷では、張り子制作の見学や体験が可能です。中田英寿のREVALUE NIPPON PROJECTにも参加しています。絵付け体験は随時受付しており、出張での絵付け体験ワークショップも行っています。
その他の施設
おいち茶屋
おいちもち、薬膳焼にんにく、ダッタンそば茶などの名物を扱う土産物店で、そばやうどん類の食事も提供しています。
さらに、福島県内で唯一となった秘宝館『道六館』や、ヤマザクラとシダレザクラが寄り添うように立つ『天神夫婦桜』も見どころです。