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山本不動尊

(やまもと ふどうそん)

弘法大師ゆかりの霊場

山本不動尊は、福島県東白川郡棚倉町に位置する由緒ある霊場です。樹齢100年を超える杉並木を抜けると、厳かな雰囲気をまとった境内が姿を現します。大同2年(807年)、弘法大師が東北行脚の途中で護摩壇を築き、八溝山系に棲む悪鬼を調伏祈願したことが始まりと伝えられています。

歴史と由緒

山本不動尊は、約1200年前に弘法大師によって開基されました。以来、多くの人々の信仰を集め、福島県内でも有数の霊場として親しまれています。境内を進み、渓流に架かる橋を渡ると、130段もの石段がそびえ立ちます。その石段を登り切った先の巨岩の洞窟には、ご本尊が安置され、訪れる人々の心を厳かに包み込みます。

四季折々の自然美

春の彩り

春になると、参道や境内周辺に山桜や岩つつじが咲き誇り、特に約800本のシャクナゲが華やかに彩ります。4月中旬から下旬にかけてのシャクナゲの見頃には、多くの参拝客が訪れ、心和む景観を楽しむことができます。

夏の清涼

夏には、隣接する山本公園や久慈川支流の宮川が涼を与えてくれます。透明度の高い清流にはヤマメやニジマスが泳ぎ、その姿を眺めながら渓流沿いの遊歩道を歩くのは格別です。ひびくらの滝へと続く散策路も整備され、自然の中で穏やかな時間を過ごせます。

秋の紅葉

10月下旬から11月中旬にかけては、参道や境内を鮮やかな紅葉が彩ります。杉並木やもみじが赤や黄色に染まり、石段や洞窟に向かう道が幻想的な雰囲気に包まれます。この時期には多くの観光客やカメラマンが訪れ、自然美と歴史が織りなす絶景を堪能します。

冬の荘厳

冬は凛とした空気が境内を覆い、静寂の中で参拝する特別な趣があります。元旦には「元朝大護摩祈祷」が行われ、多くの参拝客が新年の平穏を願って訪れます。

祭事と行事

山本不動尊では、年間を通して様々な行事が催されます。元朝大護摩祈祷(1月1日)節分会(2月3日)春の例大祭(4月下旬)秋の例大祭(8月下旬)などが代表的です。いずれも多くの参拝客で賑わい、地域の伝統行事として根付いています。

山本公園と周辺環境

山本不動尊に隣接する山本公園は、南北約5kmにわたる渓谷で「奥久慈県立自然公園」に指定されています。園内にはキャンプ場(4月~11月開設)が整備され、バーベキューや川遊びなど自然を満喫できます。豊かな森と清流に囲まれ、参拝とともにアウトドアも楽しめる点が魅力です。

所在地とアクセス

名称

石堂山徳善院明王蜜寺 山本不動尊

所在地

〒963-5685 福島県東白川郡棚倉町大字北山本字小檜沢94番地2
【電話番号】0247-33-2445

交通アクセス

電車: JR水郡線「近津駅」下車、タクシーで約10分(約5.1km)
車: 東北自動車道白河ICより約1時間10分(棚倉町~塙町経由)

駐車場

無料駐車場あり。大型バスも駐車可能です。

まとめ

山本不動尊は、弘法大師ゆかりの歴史と自然が融合した霊場であり、四季折々に訪れる人々を魅了します。厳かな本尊と杉並木、清流と紅葉、そして伝統的な祭事。ここでは日常を離れ、心静かに自然と信仰に触れるひとときを過ごすことができます。

Information

名称
山本不動尊
(やまもと ふどうそん)

白河

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