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翠楽苑

(すいらくえん)

翠楽苑は、福島県白河市にある南湖公園の一角に位置する、池泉回遊式の日本庭園です。1995年(平成7年)に完成し、四季折々の美しい自然と日本文化を楽しめる場所として、多くの観光客や地元の方々に親しまれています。園内の景観はどの方向から眺めても美しく、池や借景が調和した風情ある空間が広がります。

庭園の概要と名称の由来

翠楽苑という名前は、南湖の緑や湖水に通じる「翠」と、江戸時代の名君である松平定信の雅号「楽翁」の「楽」に由来しています。「士民共楽」の精神を大切にし、日本の伝統文化を伝承・発信する場として設計されました。

苑の面積は約24,700平方メートル。中央に大きな池を配し、その周囲には遊歩道が整備されており、約10分で一周できます。園内には赤松や楓など59種類、約4,000本の樹木が植えられており、春の新緑や桜、夏の睡蓮やハス、秋の紅葉、冬の雪景色など、季節ごとに異なる風景を楽しむことができます。

園内施設と文化体験

松楽亭での呈茶体験

池に面して建つ松楽亭は、書院造りの建物で、庭園を眺めながら抹茶と季節ごとに変わる生菓子をいただける場所です。呈茶券を購入することで入館でき、静かな和の雰囲気の中で、日本文化の粋を体験できます。入園料とセットになったお得なチケットも販売されており、多くの来園者が利用しています。

秋水庵と文化活動

園内にはもう一つの茶室である秋水庵もあり、茶会や句会、歌会などに利用されています。さらに、茶道の家元が主催する大茶会や、8月の灯籠茶会、9月・10月の月見会といった季節の催しも開かれ、地域の文化活動の拠点としての役割を果たしています。

自然環境と見どころ

翠楽苑は鏡山の松林を背景に、モミジやマツ、山野草など多彩な植物が植えられています。友好都市である三重県桑名市から寄贈されたハスやスイレンが池を彩り、訪れる人々の目を楽しませてくれます。池にはニシキゴイが優雅に泳ぎ、さらにはシジミも生息しており、自然豊かな環境が整っています。

入園料と利用案内

翠楽苑の入園料は、大人350円、小学生から高校生170円で、みどりの日には無料で入園できます。呈茶は別途600円ですが、入園料とセットになったチケット(大人850円、小中高生700円)もあり、お得に楽しむことが可能です。また、団体割引も用意されています。

翠楽苑の楽しみ方

翠楽苑は、日本庭園の美しさと共に、日本文化を肌で感じることのできる場所です。庭園を散策しながら四季折々の風景を眺め、松楽亭で抹茶をいただくことで、日常から離れた静かな時間を過ごすことができます。さらに、茶会や季節のイベントに参加することで、伝統文化に触れる貴重な体験もできます。

まとめ

翠楽苑は、松平定信の庭園理念を引き継ぎ、日本文化の伝承と発信を目的に造られた回遊式日本庭園です。南湖公園の自然と調和し、四季折々の景観と共に、抹茶や文化活動を通して日本の心を味わえる貴重な場所となっています。白河市を訪れた際には、ぜひ立ち寄り、歴史と自然と文化が織りなすひとときをお楽しみください。

Information

名称
翠楽苑
(すいらくえん)

白河

福島県