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奥会津博物館

(おく あいづ はくぶつかん)

江戸時代の山村生活を体感できる博物館

奥会津博物館は、福島県南会津町にある博物館です。奥会津地方で数百年もの間使用されてきた5,058点もの国の重要有形民俗文化財に指定された「奥会津の山村生産用具」をはじめ、山村生産用具、約24,000点が収蔵され、当時の暮らしをリアルに知ることができます。敷地内には馬宿・染屋・猪股家・山王茶屋が移築復元され、散策しながら見学することが可能です。

藍染体験

敷地内に移築された古民家のひとつには、藍染体験ができる施設があります。ここはかつて染屋だった古民家で、土間には藍を醗酵させる大きなカメが埋められています。春から秋にかけて藍染を体験することができ、昔ながらの方法で藍染を楽しむことができます。

展示品について

奥会津博物館には、私たちの祖先が数百年ものあいだ使用してきた民具や道具を約24,000点収蔵しています。これらの中には、昭和57年4月と平成2年3月に国の重要有形民俗文化財「奥会津の山村生産用具」に指定された5,058点の資料が含まれています。現在は代表的な民具約3,000点を展示・公開しています。

当博物館の展示構成は、奥会津地方の文化の特色をわかりやすく表すため、「山」「川」「道」の3つのキーワードに区分されています。

展示構成

「山」 かつての挽木地(会津漆器の素地づくり)は奥会津地方の大きな産業のひとつでした。それを支えた木地師の道具と習俗、さらには大きなシェアを占めていた太鼓胴の生産用具、雪国ならではの工夫に満ちた生活用具を展示しています。

「川」 奥会津地方では、人びとの生活の場や耕地は山間に広がる河岸段丘の上に発達しています。生活や農耕には水が不可欠であり、川は人びとの生活に大きな役割を果たしてきました。漁撈用具を中心に生活の中で使われた道具を展示しています。

「道」 人の交流や物資の交易は、下野街道を中心に行われ、奥会津地方の交易手段の特色に「仲付駑者」(駑者馬)があげられます。交易手段に用いられた運搬用具を中心に様々な民具を展示しています。

移築復元された古民家

当博物館の東側には趣のあるかやぶき屋根の古民家が立ち並んでいます。馬宿・染屋・旧猪股家住宅・旧山王茶屋の4軒は移築されたもので、一番奥には当時の木地師たちの小屋を再現しました。悠久の時間をこの空間で体感できます。

馬宿(旧大竹家住宅)

この民家は近世から明治初期にかけて、下野街道(会津西街道)を行き来した仲付駑者専用の宿です。内部には囲炉裏があり、現代とは違う家のぬくもりを感じることができます。

名称: 旧大竹家住宅
旧所在地: 南会津町糸沢字今泉平
建築年: 1801 年(享和元年)
復元年: 1988 年(昭和 63 年)
構造: 寄棟造・茅葺曲家
規模: 162 平方メートル

染屋(旧杉原家住宅)

江戸時代中期頃より昭和40年代まで続いてきた染屋です。藍染は主に農家の作業衣や神社祭礼の幟織などを染めていました。

名称: 旧杉原家住宅
旧所在地: 南会津町塩江字上坪
建築年: 18 世紀後半(推定)
復元年: 1988 年(昭和 63 年)
構造: 寄棟造・茅葺直家
規模: 171 平方メートル

旧猪股家住宅

当町に現存する最も古い民家で、内部は畳を敷ける板敷の部分が二間だけで、残りは全て土座です。

名称: 旧猪股家住宅
旧所在地: 南会津町塩江字根岸
建築年: 18 世紀前半(推定)
復元年: 1999 年(平成 11 年)
構造: 寄棟造・茅葺直家
規模: 99 平方メートル

旧山王茶屋

山王茶屋は山王峠を越えて旅をする人々や物資を運搬する人々が休んだり、宿泊の便を図る目的で建築された茶屋本陣です。

木造: 2 階建・茅葺
規模: 335.17 平方メートル

木地小屋

近世初期(17 世紀後半頃)以来、木地師は繰り返し山々に入り、ブナ林の中に小屋を構えて木地を挽きました。館の木地小屋は再現したもので、内部には当時の木地道具などが展示されています。

構造: 切妻造・茅葺
規模: 47 平方メートル

奥会津博物館は、奥会津の伝統文化を保存、伝承するために設立された博物館です。歴史、民俗資料以外にも自然史等の資料を収集、展示し、奥会津地方の自然、文化、歴史の魅力を総合的に展示しています。

Information

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奥会津博物館
(おく あいづ はくぶつかん)

南会津

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